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契約業務でエンジニアが注意すべき項目

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エンジニアの業務、コードを書く、設計する、というもの作りなイメージがあるとおもう。 一方で、こんな仕事までするのか(絶望)という仕事が会社に入るとやってくる。

(絶望)の一環として、契約の締結というのがある。 新しい会社と付き合いが始まると、必ず発生する作業で、当然法務も内容や表現を確認するのだが、開発の目線で内容をチェックしなければいけない。

契約と言ってもいろいろあるので、本記事はソフト使用許諾契約を例にした。

例えばB社のコンパイラを使うために契約が必要な場合はソフト使用許諾契約を結ぶことが多い。

値段や使用期間、問題がおこったときの対応、お互いの機密の取り扱い方、そのコンパイラを他社に貸し出すときの決まり、といったお互いに決まりを取り交わす必要がある。

これを確認しないと、「事業所内でしか使えない」「サポートには別途費用がかかる」「B社の秘密は守ってもらうが自社の秘密は守られない」といったことが発生しうる。 (流石にこんな極端なことはないが。)

そんな事にならにために、契約のチェック項目を記事にした。だれかの参考として役に立てばありがたい。

本記事内の言葉の使い分け

明記:具体的に細かく書く
例)納品物は、設計ドキュメントと〇〇を実現するソフトウェア

明確化:具体的にはかけないができる限り内容がわかるように書く
例)故障により損害を被った場合は、補償額を双方協議の上決定する

1. 契約書の雛形を用意する

受注する側がひな形を用意する事が多い

2. 納品物の定義

  1. 期待/想定する納品物を明記する
  2. 納品するものを明記

開発の委託であれば納品物は注文書に記載される事が多い。
ソフトの使用許諾契約のときにはこの項目を忘れずに確認されたし。

3. メジャーバージョンアップ時の対応

  1. バージョンアップで、契約時のソフトが古くなっても使えるか明記
  2. バージョンアップに合わせて、納品されたソフトを更新できるか明記
  3. 旧バージョンの保守や改善の対応を明記
  4. サポートが維持されるかを明記

納品されたソフトが、開発元がソフトをバージョンアップさせたときの取り決めしておかれたし。

4. 使用する製品に対してこちらの要望を伝える余地はあるか

例)製品改善の努力、開発環境の範囲の定義

買いきりでなんの要望も受け付けませんよ、というスタンスの会社もある。逆に、要望受け付けますよ、という場合もある。あらかじめ確認されたし。

5. サポートの範囲

  1. メール、電話、対面、などの方法を明記
  2. サポートの期間を明記
    • 販売終了後もサポートできるか

サポートに対する考えを双方で合意されたし。

6. 再許諾

  1. 再許諾できるものを明確化
  2. 再許諾を行う方法を明記

別部署、子会社や他社にソフトを渡したい場合にどのような制限があるかを確認されたし。

7. プレスリリース

  1. どちらにプレスリリースの拒否権があるか

これは秘密の開発だから、公表をしてはいけない。と思っているのは自分だけかもしれないので、 相手方と確認をされたし。

8. 文言の定義と表現の統一

同じ意味を違う言葉でさしている場合は統一されたし。

9. 瑕疵担保責任

  1. 責任が生じる範囲を明確化
  2. 保証の額の範囲を明確化
  3. 第二次対応での対応を範囲を明確化
  4. 期間の明確化

瑕疵・・・本来あるべき機能・品質・性能・状態が備わっていないこと。
つまり納品物が納品元の不備であると認められた場合、どのような対応をするかあらかじめ確認されたし。

10. 機密保持

  1. 秘密が漏れないような取り決めになっているか
  2. 機密保持の対象の明確化
  3. 機密保持を破った場合の対応を明確化
  4. 機密保持期間の明確化
  5. 機密が漏れた場合の対処の明確化

あまりガチガチにすると開発性が落ちることもあるので、双方のちょうどよい落とし所とこちらの譲れないところを明確にされたし。

11. 損害賠償

  1. 損害賠償が生じる場合を明確化
  2. 保証額の範囲の明確化

製品を運用して、顧客に損害が出た場合等の対応。何か会ったときの金額が大きくなってくるので慎重に協議されたし。

12. 知的財産

  1. ソフトを用いて開発したものの著作権はどちらになるか
  2. ソフト自体の改善が行われた場合、どちらに権利が帰属するか

ソフトを用いた開発では、権利は当然自社のものと考えがちだが、必ずしもそうとは限らないので注意されたし。

13. 対価

  1. 支払期日、支払い方法を双方で合意できているか

支払い条件が会社ごとに違う可能性があるので注意されたし。

14. 契約終了後の措置

  1. 使用したソフトの破棄などが記述されている場合、それが可能か判断する必要がある。外部の会社に渡した場合、それを確実に破棄させることができるか、等。

センター試験よろしく、必ず、すべて、とかそういった言葉には敏感になられたし。

15. 契約延長

  1. 契約延長する場合の取り決め
    • 契約延長に必要なことを明記

契約が終了してまた結び直すのか、簡素な手続きで延長できるのかは、実務時間に大きな差ができるため確認されたし。

おわりに

お互いの合意がしっかりと取れていると、お互い仕事がしやすいたのでおさえるとことはおさえておきたい。
項目が抜けていて、お互い「どうしようか・・・」ってなったときは大変(経験談)。
もちろん契約項目はこれだけではないので、自身の環境に合わせて参考にしていただければ。

ところで、知人に聞くと「契約業務なんてやったことないわwww」
っとのこと。
やったことないよ、やったことあるよ、という人はどういう業態なのかぜひ教えてください。